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2016年5月25日 (水)

2014.5.23

中学生の体験学習で、いつも最後にインタビューを受けるのだけど、これがこそばゆい。
「なぜ本屋で働いてるのですか?」という質問が特に。

30年ほど前になるが、小山市の駅前に10坪ほどの小さな本屋があった。
当時その近くに住んでいた小学生の僕は、毎日学校から帰るとその本屋行ってコミックを立ち読みしていた。
本当に小さな本屋だった。レジには店長一人でレジ内は半畳ほどのスペース。
毎日コミックを読みに来ているので店長に顔と名前を憶えられ、いつしか狭いレジの中でコミックを読むようになっていた。
お昼近くになるとお金を渡されお昼ご飯を買いに行かされたりもした。
中学生になっても通い続け、ちょっとエッチな叶精作あたりの大人のコミックを買ったりすると
袋の中には「スケベ」と店長が書いたメモが入ってたりした。

小学生にとって、本屋のレジの中で本を読めるというのはとても優越感に浸れたものだ。
これが僕の人生の中で、本を受け取る側から渡す側への境界、レジの中へと越えた瞬間だった。

今はもうあの時の本屋はない。あの店長はどうしているのだろうか。
あの時の叶精作のことは忘れていて欲しいと願うばかりだ。
中学生と本の話をしていると、いつもあの時の本屋のことを思い出す。

※5/31発売の『図書新聞』にて
『秘宝館という文化装置』(妙木忍/著 青弓社)の書評を書かせていただきました。

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