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2016年5月25日 (水)

2012.9.14

ども、オリンピック以降、ほとんどテレビを見てない管理人です。
もっぱら予約録画していた映画がハードディスクに溜まっていく一方です。
そんな溜まりに溜まった録画の山から何気に見た「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」というドキュメンタリー映画が傑作でした。
 なんでも映像として記録し続けないと気がすまない男、ティエリー・グエッタ。この自称映像作家がゲリラ的なストリートアートを取材するうちに、覆面作家バンクシーの存在を知り、彼に密着、やがてティエリー本人がアートの世界に入り込み、「アートの存在、価値とはなんなのか」を、創り出す側、鑑賞する側へと強烈に投げかけてくるという、展開が全く読めないジェットコースタードキュメンタリーでした。
 本作はティエリー本人の作品と思わせておいて、実は覆面芸術家バンクシーが監督で、このティエリーには映像センスが全く無いこと知ったバンクシーが、ティエリーをアートの世界にチャレンジさせて一人のアーティストが生まれるまでをバンクシー本人がドキュメンタリー映画としてまとめた、ヒネリの効いた作品ですが、まったく芸術活動をしてこなかったティエリーが大宣伝ひとつであっという間にアーティストとなり、ウォーホールのパクリ作品や意味不明なオブジェに高額の値が付いてしまうという、ポップアートに対する評価の如何わしさに唖然とさせられます。特にグラフティアートや現代美術、インスタレーションの流行に疑問をお持ちの方は一見の価値ありの映画です。
本作は2010年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。

 監督のバンクシーは性別以外、全て不明の覆面アーティストですが、彼の作品は単なる落書きとしか見られてなかったストリートアートを、永久保存されるまでに、芸術として高めた天才です(バンクシーで検索をかければ彼の作品が見られます)。反権力、反グローバリズム、反資本主義というメッセージとその卓越した表現方法とアイデアは、先のティエリーとは比べ物になりません。彼の作品をただカッコイイと見るか、メッセージ性を強く取るか、アートとしての普遍性を見出せるか、彼の作品の前に立った時、我々が試されている気がしてなりません。

当店にてバンクシーのストリートアートに焦点を当てた作品集
「You Are an Acceptable Level of Threat」(洋書)を当店にて発売中です。
※芸術書コーナーにて展開中

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